これはいまに始まったことではありませんが、小中学生の読書量が減って活字離れが進んでいます。その結果、子どもの読解力はもとより、作文力までもが低下しています。

 読書と作文、つまり読む力と書く力とは表裏の関係にあります。文章を書く最初の一歩はまねることです。身近にある文章をまねて自分でも文章を書いてみる。その文章に使われいる表現を自分も使ってみる。また、自分が書いた文章を読み直して、文章におかしなところはないか、誤字脱字はないかを確認する。こうした書く力を身につけるには、まず読書の習慣をもち、読む力を身につけることが必要であることは言うまでもありません。

 しかし、子どもは確実に本を読まなくなっています。大学生でも四年間で一度も大学の図書館に入ったことのない学生さえいるぐらいです。このような学生は例外としても、小中学生にとっては、周りに楽しいもの、興味を引くものがたくさんある現在の環境では、活字離れは必然的な流れなのかもしれません。保護者の方は読書をするように口を酸っぱくしておっしゃるかもしれませんが、お子さんは聞く耳持たずで、いっこうに本を読もうとしないのが現実ではないでしょうか。

 読書は勉強だと考えている子どもが実に多いように思います。ここで保護者の方にご自身の読書の習慣を振り返っていただきたいのです。とくにお子さんが幼稚園、小学校低・中学年のころです。そのころご両親は読書をしていましたか。より正確に言えば、読書をしている姿をお子さんに見せていましたか。ご両親が読書好きで本に囲まれた環境に育った子どもは自然と本を読むようになるものです。それとは反対に、まったく読書という習慣のない家庭で育った子どもはいくら読書をするように言われても、読書に何の興味も関心ももたないでしょう。

 子どもに読書は楽しむものということを教える場所は家庭こそがふさわしいと思います。大人が読書を楽しんでいる姿を小さいころから見て育った子どもは、読書という行為に違和感をもたずに(勉強とは思わずに)、自然と親しんでいきます。言い換えれば、そのころから子どもは読む力を少しずつ身につけているのです。そして、その読む力はこれからさまざまな勉強をしていく上で大切な土台となるのです。

(Visited 63 times, 1 visits today)
コード スニペットをコピー