三 毎日三十分の漢字練習
お子さんは毎日漢字練習をしていますか。
英語で単語がわからないと内容が理解できないと同じように、国語も漢字がわからなければ、たとえ教科書でもその内容は理解できません。漢字が読み書きできるようになれば、内容理解も自然と深まり、面白みも感じるようになります。
当たり前のことのようですが、この当たり前のことがいまの多くの小学生には欠けています。たとえば、小学五年生の子に四年生の漢字の書き取りテストをした時、どのくらいできるでしょうか。わたしの経験では大部分の子が半分そこそこでした。なかには漢字の書き取りが得意でちゃんと書ける子もいますが、それは希なケースです。
学校では授業数の削減から、漢字の書き取りまで手が回らないことが多いようです。漢字ドリルは配られていても、宿題用であったり、自習用であったりしています。そして、その単元が終わるとそれでおしまいで、学校での繰り返しの練習は望みようもありません。
漢字練習は繰り返しが肝心です。繰り返すことによって初めて、その字はお子さんの記憶に定着して使いこなせるようになるからです。
つぎにわたしが漢字練習で注意するポイントを挙げてみます。
1 書き順 これは漢字をかっこよく書くための順番だよとこどもに言っています。
2 読み いまの子は中学生になっても(本当は大学生でも)音読みと訓読みの区別がつかない子が多く見 られます。音・訓の違いを正確に覚えるようにしてください。
3 止め跳ね 漢字の止め跳ねだけはしっかり覚えるようにしてください。最初の段階で覚えてしまえば、あとあとは自然と身に付いていきます。なお、教科書の漢字は教科書体というデザインされた漢字ですので、止め跳ね以外はあまり神経質にならないでください。
以上のポイントに注意して、最初は必ずお父さんかお母さんが側について、お子さんに漢字練習をさせてください。漢字練習といえば、お子さん任せのご家庭が多いようです。しかし、最初はやはり大人がチェックしてあげることが大切です。最初の十分と終わった後のチェックだけでもかまいませんので、ぜひ実行してみてください。
また、高学年のお子さんで漢字が苦手な場合は、3年生ぐらいまで戻って書き取り練習をしてください。漢字の多くは別の漢字の組み合わせです。組み合わせる漢字それぞれをしっかり覚えていれば、新しい漢字もスムーズに覚えられるようになります。遠回りのようですが、じつは近道なのです。
四 教科書の音読
お子さんはお家で教科書を声を出して読んでいますか。
もしその習慣がないのなら、毎日、十分でもお子さんに教科書を音読させてください。そして、それを周りでお父さんやお母さんが聴いてあげてください。
お子さんはどんな読み方をしていますか。お子さんの読み方で注意して頂きたいポイントは、ひらがなのところを、とくに文末を丁寧に読んでいるか。この一つだけです。
教科書を音読させてみると、かなりのお子さんがひらがなの部分を曖昧に読んでいます。これは早く読み終えてしまいたいという気持ちや次に出てくる漢字の方に注意が向いてしまっているからと思われます。そして、音読がこのようならば、黙読ではもっといい加減な読み方をしていると考えて良いでしょう。これでは読解力など身に付くはずもありません。
音読する上で大切なことは、まずゆっくりと一字一字を読んでいくことです。その際、句読点は息継ぎの場所と考えてください。もし読めない漢字があったら、ふりがなをふってください。そして、毎日、わずかな時間でかまいませんので習慣となるようにしてください。そして、周りで聴いている大人が読んでいる内容をちゃんと理解できるようになったら、その子は内容をしっかり理解しながら読んでいるはずです。
音読の良さは他にもあります。耳(聴覚)を使うことです。黙読では目(視覚)しか使いませんが、音読は声にして出すことで口と耳を使い、それが脳を刺激し、そのはたらきを活性化させます。これは英語も同じことで、語学は音読の繰り返しが基本なのです。繰り返し声に出して読むことで内容の理解が深まり、漢字の読みも自然と覚えるようになります。また、無理をせずに暗記さえできるようになるでしょう。この目・口・耳を使った国語学習は、この頃、案外ないがしろにされているように思います。読書は黙読ですし、教科書も、学校の授業で何度か音読するだけで終わってしまいます。せめて義務教育の期間だけは家での教科書の音読を実践してください。
なお、音読は中学・高校の古典学習にも有効であることを覚えておいてください。
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