小学生の学習では、従来の紙と鉛筆を使った手書き学習と、デジタル機器を活用した学習をバランスよく取り入れることが大切です。それぞれのよさを生かした学習方法で、お子さんの理解と記憶の定着を効果的に支援しましょう。
手書き学習の大切さ
鉛筆を持って文字や図を書く行為は、小学生の脳と指先の発達に欠かせません。特に小学生の時期は、文字の形や筆順を体で覚えることが読み書きの土台となります。
実際、漢字学習では、何度も書いて練習することで「とめ・はね・はらい」の感覚が身につき、美しい文字を書く基礎が培われます。また、計算問題では、筆算のやり方を手を動かして繰り返すことで、計算の仕組みが理解できるようになります。
さらに、自分の考えを整理する際も、紙に書き出すことで思考が整理され、作文や問題解決の力が育ちます。このように、手書きは小学生の基礎学力と表現力を支える重要な活動なのです。
デジタル機器を活用した学習のよさ
デジタル機器には、学習をサポートする様々な特長があります:
- 視覚的・聴覚的な理解の支援
- 映像や音声によって、文字だけでは伝わりにくい内容を分かりやすく学べます。理科の実験過程や社会科の歴史的出来事、英語の発音などを生き生きと学習できます。
- 繰り返し学習の効率化
- 漢字や計算などの反復練習が必要な内容は、ゲーム要素を取り入れたアプリで楽しく継続できます。
- 情報収集と整理の支援
- 調べ学習では、多くの情報にすぐにアクセスでき、整理・保存も簡単にできます。。
- 学習記録と進捗管理
- 学習の履歴や理解度を記録・分析できるため、お子さんの苦手分野を把握しやすくなります。
小学生に効果的な学習方法の組み合わせ例
【国語】
- 手書きで強化した方がいい部分
- 漢字の書き取り、作文、読書感想文、文章構成の整理
- デジタルで補完する学習
- 語彙力強化アプリ、音読練習の録音と確認、電子図書の活用
【算数】
- 手書きで強化した方がいい部分
- 計算過程の筆算、図形の描画、文章題の解き方の整理
- デジタルで補完する学習
- 計算力向上アプリ、図形の動的変化の確認、グラフ作成ツール
【理科】
- 手書きで強化した方がいい部分
- 観察記録のスケッチ、実験結果のまとめ、分類整理
- デジタルで補完する学習
- 実験映像を見る、自然現象のシミュレーション、写真による記録
【社会】
- 手書きで強化した方がいい部分
- 地図の描写、年表作成、調べた内容のまとめ
- デジタルで補完する学習
- 地図アプリでの位置確認、歴史的映像資料の視聴、統計データの確認
小学生の学年別・最適な組み合わせ方
【低学年(1~3年生)】
手書き中心(80%)+デジタル補助(20%)
低学年では、文字や数字を正しく書く力、鉛筆の持ち方、ノートの使い方など基本を身につける時期です。手書きの学習を重視し、デジタル機器は楽しい補助教材として活用するのがおすすめです。
おすすめの使い方:
- 漢字・計算は必ず手書きでの練習を中心に
- 音読練習を録音して聞き返したり、正しい読み方の音声を参考にしたりするためにデジタル機器を活用
- 学習の息抜きや楽しんで学習する目的、教育的なアプリの活用
【高学年(4~6年生)】
手書き(60%)+デジタル活用(40%)
高学年になると学習内容が複雑化し、自ら調べる力や思考力が求められます。手書きでの学習に加え、デジタル機器を活用した情報収集や発展学習に取り組むバランスが効果的です。
おすすめの使い方:
- 新しい学習内容はノートにまとめて理解を深める
- 調べ学習や発表準備にデジタル機器を活用
- 家庭学習の記録や計画管理にデジタルツールを利用
- ゲームやクイズ形式で暗記をするのに活用。
デジタル学習ツールの種類と選び方
デジタル学習ツールには様々な種類があり、目的に応じて選ぶことが大切です:
【学習アプリ】
スマートフォンやタブレットで利用できる教育アプリは、短時間で集中して取り組める内容が多く、基礎力の定着に役立ちます。無料のものから有料のものまで幅広くあります。
小学生向けの学習アプリの例
【タブレット学習教材】
通信教育各社が提供するタブレット教材は、体系的な学習カリキュラムで学校の学習と連動した内容が多いのが特徴です。月額料金がかかりますが、継続的な学習管理ができます。
選ぶ際のポイント:
- お子さんの学習スタイルや興味に合っているか
- 教科書の内容と連動しているか
- 手書き学習とのバランスを考慮した内容か
- 親御さんが進捗を確認できる機能があるか
【パソコンでの学習】
高学年になると、調べ学習やプレゼンテーション作成などでパソコンを活用する機会も増えてきます。文字入力の練習やデータのまとめ方など、将来に役立つスキルも身につけられます。
デジタル機器活用時の注意点
デジタル機器を学習に取り入れる際は、次の点に注意しましょう:
- 使用時間の管理: 一度に長時間使わず、30分程度で区切りを作りましょう。
- 目や姿勢への配慮: 適切な明るさと距離を保ち、姿勢にも気をつけましょう。
- 内容の選別: 教育目的のコンテンツか、年齢に適した内容かを確認しましょう。
- 手書きとのバランス: デジタル機器での学習が増えても、手書きの時間は必ず確保しましょう。
家庭での実践ポイント
- 学習の場を分ける: 手書き学習の机とデジタル機器を使うスペースを分けると、メリハリがつきます。
- 時間割を作る: 「この時間は手書き」「この時間はデジタル」と決めておくと、バランスよく学習できます。
- 親御さんの関わり: デジタル学習も「見守る」姿勢が大切です。時々内容を一緒に確認してください。
- 効果を定期的に確認: どの学習方法がお子さんに合っているか、定期的に見直しましょう。
タブレット学習教材について
最近では、タブレットを活用した通信教育も人気です。教科書に準拠した内容で、学校の学習と連動して家庭学習ができる点が魅力です。
タブレット学習教材のメリット:
- 学習の進捗や理解度が自動的に記録される
- 映像や音声を使った分かりやすい解説がある
- 答えを入力すると即座に採点・解説が表示される
- ゲーム感覚で楽しく学べる工夫がある
タブレット学習教材の注意点:
- 月額費用がかかる
- 長時間の使用は目や姿勢への負担になる
- 書く力が不足しないよう配慮が必要
各社の教材には特徴がありますので、体験教材などを利用して、お子さんとの相性を確かめてみるとよいでしょう。
小学生におすすめのタブレット型通信講座
スマイルゼミ
教科書準拠で五教科を学ぶことができます。英語やプログラミングも学習できます。


無学年式オンライン教材【すらら】
国・数・理・社・英の5教科対応、 先生役のアニメーションキャラクターと一緒に、 一人ひとりの理解度に合わせて進めることができます。無学年式で学年を遡ったり、先に進めたりお子さんのペースで学習ができます。
自宅での学習をサポートする無学年式オンライン教材【すらら】
まとめ
小学生の学習では、手書きの大切さとデジタル機器の便利さ、両方を理解して賢く組み合わせることが重要です。特に基礎となる力は手書きでしっかり育て、デジタル機器はその力を広げ、深める道具として活用しましょう。
お子さんの学年や性格、学習内容に合わせて、手書きとデジタル、両方のいいところを取り入れた学習環境づくりを心がけてください。最終的に大切なのは、お子さんが「学ぶ楽しさ」を感じながら、これからの時代に必要な力を身につけられることです。