ご家庭での国語、とくに長文読解問題の勉強のしかたについてお話ししたいと思います。これからお話しすることは読解のテクニックというより、日々の家庭学習において、どういうことに注意して勉強していけばよいかといったことが中心となります。
読解問題の設問は「五択」などと言われる選択肢から正解を選んで記号で答える問題と指示語や要旨のまとめなどの記述問題に大別できるでしょう。今回は選択肢から正解を選ぶ問題についてお話しします。
読解問題には、
ア 本文中で筆者が述べている内容に合っているものを次から一つ選び、記号で答えなさい。
という設問が必ず一つはあります。このタイプの問題を解くとき、子どもは必ずと言っていいほど、設問の通りに四つないし五つの選択肢のなかから合っているものを一つ探そうとします。当たり前のようですが、ここにひとつの落とし穴があります。
イ 本文の筆者が述べようとしている考えとして最もふさわしいものを次から選び、記号で答えなさい。
イの設問では「最もふさわしいもの」となっています。アより設問の難易度は難しくなっているはずです。つまり、選択肢のなかにふさわしいと勘違いしやすい選択肢が必ず一つか二つ含まれているはずです。ここで設問の通り、素直にどれが正しいかという視点で正解を探したら、ふさわしいと勘違いしやすい選択肢(いわゆる「引っかけ」の選択肢)に引っかかる確率が高くなります。とくに読解力のある子どもほど、選択肢を深読みをして引っかかってしまうのです。
では、どのようにしたらよいのでしょうか。方法は簡単です。それは、たとえば選択肢が五つある場合はまちがいを四つ探すことです。五つのなかから一つの正解を探すより、五つのなかから四つのまちがいを探す方が不正解になる可能性は少ないのです。このような問題では、選択肢に少しでも本文でふれていない内容が含まれていればまちがいです。つまり、本文に書かれていないことが含まれているかどうかという視点から、それぞれの選択肢がまちがっていないかと考えるのです。そして、一つずつ選択肢を消していき、最後に残った選択肢が正解となるのです。
家庭学習で答え合わせをするとき、もしこのタイプの問題が不正解のときは正解探しではなく、まちがい探しをするようにアドバイスしてあげてください。