今回は定期試験の成績の見方についてお話しします。現在、公立中学では前後期制をを採用している学校と三学期制の学校とがあります。定期試験は、三学期制の学校では、普通、中間テスト二回と期末テスト二回、学年末テストの五回の試験が実施されます。前後期制の学校では中間テスト二回と期末テスト二回の四回の試験になります。ただ、三学期制の学校でも一学期の中間テストを実施しない学校もあり、両制度における試験回数に顕著な違いはありません。
これらの定期試験の成績を見る際、いちばん気をつけていただきたいことは各教科の平均点です。大多数の保護者の方は、平均点を基準にお子さんの点数を善し悪しをお考えになると思います。それ自体、間違ったことではないのですが、その基準となる平均点が問題なのです。言うまでもなく、この平均点は学年、クラスのレベルを反映するものであり、その学校内での成績の上下しかわかりません。したがって、その学校のレベルが高ければいいのですが、低ければその平均より少しぐらい点数が高くても学力的にはまったく不十分です。つまり、学校間格差や地域間格差を考慮しなければならないのです。
このような状況で、では、一体、何点を取ればいいのかということになります。答えは簡単です。100点満点を目指すべきです。なぜ、このようなことをお話しするかと言えば、小学校の時は100点が当たり前の子どもも、中学に入った途端、100点など絶対に取れないものと思い込んでいるからです。しかし、よく考えてみてください。学校の定期試験は、試験範囲がはっきりしていて、すべてが学習したものです。そのような試験で平均点より少し上ぐらい、つまり65点や70点しか取れないということは、その程度しか授業内容を理解していないということです。また、こういった状況をおか
しいと思う感覚が子どもにも保護者にも欠けているように思えてなりません。実際、100点を目指してすぐに100点を取れる子どもはそうそうはいません。しかし、100点を目指さない子どもには90点以上の点数も取れないのです。言い換えれば、気持ちの上で80点ぐらい取れればいいやと思えば、その八割から九割の点数しか取れないでしょう。
欧米の教育と違って日本の教育では、上の学校へ行くに従い、100点を取ることは不可能という考えが広がっていきます。また、周りもそれを追認するかのように80点で優秀とする風潮があります。入試などではそれでよいかもしれませんが、定期試験の目的が学習内容がどの程度習得したかを確認することである以上、やはり100点を、言い換えれば、授業内容の100%の理解を目指すべきです。
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