1. 言葉のきまりの学習の基本
現在、公立小学校では中・高学年から「ことばのきまり」を学習します。しかし、学年ごとに内容が分断され、教科書でも付録的な扱いになっているため、多くのお子さんは学習内容を忘れてしまいがちです。中学校では1年生から体系的に国文法を学びますが、学校によって指導の濃淡があります。
日本語が母語だからといって文法がわかるとは限りません。さらに、日本語の文法をしっかり理解しないまま英語の文法を学ぶ現状では、主語・述語・修飾語といった文の成分や、名詞・動詞・副詞などの品詞の知識が最初から必要になります。
この連載では、小学生が言葉のきまりを学習する際の注意点や、保護者の方がお子さんの疑問にどう答えるべきかをご紹介します。特に中学での英語学習を見据えた内容にも触れていきます。
2. 主語・述語、修飾語をしっかり確認する
小学校では四年生で主語・述語、修飾語を、五年生で言葉の種類(名詞・動詞・形容詞)を学びます。これらは教科書の頁数にしたら、それぞれ四、五頁に過ぎませんが、国語力を身につける上でとても大切な学習分野であり、なおかつ、不得意とする子どもの多い分野でもあります。
まず、お子さんが主語・述語、修飾語が正確に理解できているか確認してみてください。
主語・述語、修飾語の練習問題はこちらからダウンロードできます。
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苦手分野が見つかったら、この時期にしっかり理解できるよう復習しましょう。
主語・述語、修飾語は文章理解に不可欠な知識であり、作文の際も常に意識すべき要素です。主語と述語が一致しない文を書く子どもは、短文で主語と述語の関係をしっかり理解する必要があります。また、修飾語がどの言葉を修飾しているか、連体修飾語か連用修飾語かの違いを理解することも大切です。これらを理解できれば、連体詞、副詞、形容詞といった品詞の理解もスムーズになります。5年生で学ぶ言葉の種類は、中学の英語学習の基礎知識にもなります。
言葉のきまりは一度にすべてを理解することはできません。計画的に少しずつ理解を深めていきましょう。
3. ことばの単位
ことばの単位は大きい順に以下のようになります:
- 文章:まとまった考えや気持ちを書き言葉で表したもの(長い小説も短い日記も一つの文章)
- 段落:文章を内容ごとに分けた一つのまとまり(形式段落と意味段落がある)
- 文:まとまった内容を表して言い終えた一続きの言葉(通常、句点「。」で区切れる)
- 文節:文を意味を壊さず、発音上も不自然にならないよう短く区切ったまとまり
- 単語:それ以上言葉として分けられない、言葉の最小単位
特に文・文節・単語に注意しましょう。文は読解問題で「一文で書き抜きなさい」などの形で出題されます。一文の意味をしっかり理解していないと、文の途中から抜き出して不正解になることがあります。
文節は主語、述語などの文の成分と関係します。文の成分とは文節の働きを示す名前です。「主語を一文節で答えなさい」などの形で出題されます。文節は切れ目に「ネ」を入れることができます
少女がネ/横断歩道をネ/渡る。
単語は名詞、動詞などの品詞と関係します。品詞とは単語の働きを示す名前です。単語に分ける際は、まず文節に区切り、それから単語に分けることが大切です:
少女・が/横断歩道・を/渡る。
単語に分ける練習は、文の成分の学習が終わり、品詞の学習に入るときに行うのが効果的です。
つづきは 言葉のきまり、国語文法の学習法2 をお読みください。
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