一文を書き抜いたり、字数指定のある設問についてお話しします。
たとえば、次のような設問があったとします。
傍線3「〈上機嫌〉の表現」を表している一文を見つけ、はじめの四字を抜き出して答えなさい。
このような設問で、一文ということばをしっかり理解していないお子さんがしばしば見られます。一文とは一つの文のことです。つまり、一文で書き抜きなさいと指定されたなら、その文の冒頭から書き抜かなければなりません。しかし、一文の意味を理解していない子どもは文の途中から書き抜いたりします。もちろん、その答えは不正解になります。
一文の意味さえ理解できれば、ほとんどの子がこのようなミスをしなくなりますので、早い段階で、一度しっかりと一文とは何かということ確認してください。それとともに、設問がどういう答え方を求めているかをきちんと読むこともご指導ください。問題慣れしてきた子どものいちばん陥りやすいミスは、設問が求める答え方をしっかり確認せず、思いこみで答えるミスです。この点も繰り返しご注意ください。
つぎに字数指定のある設問ですが、たとえば、次のような設問があったとします。
傍線4「世界は再び始めから生きる」とほぼ同じ内容が言いかえられている部分を、直後の形式段落から二十字以内でで書き抜いて答えなさい。
このような設問の場合、正解の字数は指定された字数の少なくとも八十%以上、だいたいは90%以上が一つ目安となります。つまり、例の場合なら最低でも十八字前後の解答になるということです。これはもし正解が十四文字なら、設問は十五字以内でとなるからです(問題作成者の暗黙の了解事項とでも言うのでしょうか)。よく十字ぐらいを抜き出して平気な顔をしている子がいますが、そういうお子さんにはひとつのチャックポイントとして教えてあげてください。
ただ、文字数指定の問題ですと、子どもは字数ばっかりに気をとらわれ、内容をしっかり理解しないまま探そうとします。たとえば、五文字で抜き出せという設問なら、片っ端から五文字の単語やセンテンスを探し出します。あくまでも内容を理解したうえで設問に答え、その答えが指定の五文字になっていたら正解だろうという経過をたどってもらいたいのです。この点もチェックポイントとしてご指導ください。