言葉のきまりの学習の基本
現在、公立の小学校では中・高学年から「ことばのきまり」を学習します。しかし、 その学習内容は学年ごとに細切れになっており、また、教科書の構成も付録的なものに なっています。これでは、ほとんどのお子さんは学習したことさえ忘れてしまうのでは ないでしょうか。もちろん、中学では1年生から国文法として体系的に学習することに なっていますが、文法学習への力の入れようは学校によってまちまちなのです。
ことばのきまりは、日本語という母語だからだいたいわかるだろうといった楽観的な 考えでは通用しないことは言うまでもありません。また、このように日本語の文法をしっ かり学習しないうちに、英語の文法を学習しなければならないのが現状です。いくら中 学英語が会話へシフトチェンジしてきたといっても、主語、述語、修飾語という文の成 分や名詞、動詞、副詞という品詞の知識は最初から必要です。
この連載では、小学生のお子さんが市販の問題集などでことばのきまりを学習するさ いに、どのような点に注意するべきか、また、お子さんの疑問に保護者の方はどのよう に教えたらよいか、などについてお話していきます。とくに中学での英語学習を視野に 入れて、その関連についてもふれたいと思います。
主語・述語、修飾語をしっかり確認する
小学校では四年生で主語・述語、修飾語を、五年生で言葉の種類(名詞・動詞・形容詞)を学びます。これらは教科書の頁数にしたら、それぞれ四、五頁に過ぎませんが、国語力を身につける上でとても大切な学習分野であり、なおかつ、不得意とする子どもの多い分野でもあります。
まず、お子さんが主語・述語、修飾語が正確に理解できているか確認してみてください。
主語・述語、修飾語の練習問題はこちらからダウンロードできます。
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苦手な分野が見つかったならば、いまの時期にきちんと理解できるように復習してください。
主語・述語、修飾語は文章を理解する上で不可欠な知識であるとともに、作文の際に絶えず意識するべき事柄です。よく主語と述語が一致しない文章を書く子どもがいますが、そのような子どもの場合は、短文で主語と述語の関係をしっかり理解することが必要です。また、修飾語はどの言葉を修飾しているか、それが連体修飾語か連用修飾語かの違いがわかるようにしてください。この理解がしっかりしていれば、連体詞、副詞、形容詞といった品詞の理解もスムーズにできるはずです。そして、五年生で習う言葉の種類は中学で英語学習を行う上での基礎的知識でもあることも留意ください。
言葉のきまりは一度にすべてを理解することは不可能です。計画的に少しずつ理解を深めるようにしてください。
ことばの単位
ことばの単位を大きなものから順番に並べると文章・段落・文・文節・単語になりま
す。 文章とは、まとまった考えや気持ちを書きことばで表わしたものです。何冊にも
及ぶ小説も一、二行の日記もひとつの文章です。
段落とは、文章を内容ごとに分けた、そのひとつのまとまりです。一字下げて書き
始めたひとまとまりの形式段落といくつかの形式段落を意味の上からまとめた意味段落
があります。
文とは、あるまとまった内容を表して言い終えた一続きのことばのことです。通常、
句点「。」などで区切れます。 文節とは、文をことばの意味をこわさず、発音上も不
自然にならないように、できるだけ短く区切ったまとまりのことです。
単語とは、それ以上ことばとして分けることができない、ことばの最小単位のことで
す。
ことばの単位では、とくに文・文節・単語に注意してください。 文は読解問題で「
一文で書き抜きなさい」などの形で出題されます。一文が意味することをしっかり理解
していないと、文の途中から抜き出したりして不正解となってしまいます。
文節は主語、述語などの文の成分と関係します。つまり、文の成分とは文節のはたら
きを示す名前です。そのため、「主語を一文節で答えなさい」などの形で出題されます。
また、文節は次のように切れ目に「ネ」を入れることができます。
少女がネ/横断歩道をネ/渡る。
単語は名詞、動詞などの品詞と関係します。つまり、品詞とは単語のはたらきを示す
名前です。単語に分けるさいには、まず文節に区切り、それから単語に分けることが大
切です。
少女・が/横断歩道・を/渡る。
なお、単語に分ける練習は文の成分の学習が終わり、品詞の学習に入るときに行うの
が効果的です。
言葉のきまり、国語文法の学習法2