今回から3月にかけて、この4月に公立中学入学を迎えるお子さんをお持ちの保護者の方を対象に公立中学の現状についてお話ししていこうと思います。
この頃のマスコミ報道などでは、公立中学のマイナスイメージばかりが喧伝されています。しかし、誰もが私立中学に行かれるわけではなく、大部分のお子さんは公立中学に入学します。昨今のこのような報道などに接すると、保護者の方は不安ばかりが煽られるのではないかと思います。そこで、公立中学の現状、おもに学習面での現状についてお話しし、その対策についてもふれていきたいと思います。
まず、今回は中学での成績評価(5段階評価)についてお話しします。もうご存じのことと思いますが、数年前から通信簿の評価が相対評価から絶対評価に変わりました。頑張る子には「5」という考えで、絶対評価ではクラスの大部分が「5」ないし「4」になることもあり得るわけです。子どもとしては励みにもなり良いことですが、絶対評価に移行したことでその子の本当の学力がわかりづらくなっているのも事実です。同じ「5」でも、偏差値で10以上の学力差が生じてしまう場合が少ないのです。たとえば、通信簿は9教科(45)で40以上あるのに、偏差値では53、4という中3生が毎年います。これでは通信簿だけを基準に志望校を考えていたら、学力がまったく足りないということになりかねません。早く気づけば対応もできますが、中3になってからでは手遅れの場合もあります。
そこで、保護者の方には中1の時から定期的に学校外の公開模試を受験することをお考え頂きたいと思います。高校入試を考えて、早い段階からお子さんの学力を正確に把握することがまず大事です。
公立中学での5段階評価は担当教員のその子に対する私的(?)感情がかなり入っているのが現実です。以前、定期テストの成績は平均なのに通信簿は「2」という子どもがいました。その子どもに「授業が態度悪いんだろう」と聞いたところ、授業態度よりも先生(女性)への余計な一言(「あの先生、整形失敗だぞ」)がどうも原因のようでした。嘘のような本当の話です。