前回は公立中学の成績評価について、担当教員のその子に対する私的(?)感情がかなり入っていることにふれました。先生といえども人の子、100%客観的な評価を求めることは無理なことかもしれません。また、子どもにも先生との相性ということも当然あります。ただ、生徒としての当然の規律と義務を守り、テストの成績も平均以上なのに、それでもおかしいなと思われる成績評価があった場合は、遠慮なく学校に申し出ることをお勧めします。公立中学では、少しぐらいうるさい保護者の方が良いのです。
また、いまのうちから入学する中学校についての情報を、その中学の在学生や卒業生の保護者の方から少しずつ集めるようにしてください。公立中学は学年によって、言い換えればその学年を構成する先生によって、教科書の進め方や授業のしかたに少なからず違いが生じています。この4月に入学のお子さんの場合は、普通、現3年生の先生が担任になります。したがって、先生について評判などは現3年生の保護者の方からお聞きになるのがよいでしょう。その評判によっては、入学してすぐに塾に通わせる必要が生じてくる場合があるかもしれません。わたしの経験では、その学年になると(つまり3年に1回)、塾に通う中学1年生が他の年より増える学校がありました。保護者の方のお話ではその学年の英語の先生によくトラブルが起こるとのことでした。私立中学の場合はそういう先生は自然淘汰されていきますが、公立中学では移動を待つしかありません。やはり、保護者の側で何らかの対策を講じる必要があります。
つぎに絶対評価となった成績の見方についてお話しします。当然のことながら、保護者の方は相対評価しか経験がありません。このことが成績の見方に大きな勘違いをもたらすことがあるのです。絶対評価で「5」や「4」であっても、保護者の方が経験した相対評価の「5」や「4」とは必ずしも一致しないことを忘れないでください。前回も若干ふれましたが、同じ「5」でも偏差値になおすと10以上の違いが生じる場合があります。
例えば中学校が隣同士のAさんとBさんがいます。Aさんの学校の数学の成績は「4」、Bさんは「3」でした。これだけで判断すると、Aさんの方が数学が出来るように見えます。しかし校外模試を受けてみるとAさんの偏差値は「45」、Bさんの偏差値は「55」になってしまうことは珍しいことではありません。
つまり、相対評価では「3」なのに、絶対評価では「5」になる場合があるのです。また、絶対評価では、全体的に見て「3」以上がかなりとりやすくなっているのも現実です。したがって、先生との折り合いの下手な子どもの場合をのぞいて、オール3(合計で27)の内申では、多くの場合、平均レベルよりかなり下のレベルだと判断するべ
きでしょう。このような絶対評価と相対評価の違いをよく把握した上で通知表をご覧下さい。
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