国語が苦手なら音読から始めよう
国語が苦手なお子さんには、まず教科書を使った「音読」の練習がおすすめです。毎日10分程度でかまいませんので、お子さんに教科書を音読させて、親御さんがそれを聴いてあげてください。
教科書を音読させてみると、多くのお子さんがひらがなの部分を曖昧に読んでいることに気づきます。これは早く読み終えてしまいたい気持ちや、次に出てくる漢字に注意が向いてしまっているためです。音読がこのような状態ならば、黙読ではもっといい加減な読み方をしていると考えられます。これでは読解力など身につくはずもありません。
音読が脳にもたらす効果
近年の脳科学研究によって、音読は大脳の約70%の神経細胞を活性化させることが明らかになっています。東北大学の川島隆太教授らの研究では、黙読よりも音読のほうが脳の広い領域がきわだって活動していることが確認されています。
参考:学研ホールディングス「音読は脳の全身運動」(2024年5月)
音読の良さは、目・口・耳を同時に使うことです。黙読では目しか使いませんが、音読は声にして出すことで複数の感覚を使い、それが脳を刺激して働きを活性化させます。音読後は記憶力が20~30%も増加するという研究報告もあります。
朝の授業が始まる前に音読を取り入れている学校からは、その後の授業で集中力が増したという報告が全国から寄せられています。脳の働きが活発になる朝、特に起床後3時間以内の音読がおすすめです。
音読から読解力を身につける方法
段落ごとに内容を確認する
国語の教科書を段落ごとに音読して、読み終わる度に「どんなことが書いてあったか」を聞いてみましょう。最初はすぐに答えられませんが、慣れてくると文章に書いてあったことを思い出していくようになります。
答えを探す練習をする
簡単な質問をして、それがどこに書いてあったかを探す練習をします。国語の問題は、文章の中で問われていることがどこに書いてあるかを見つけることが重要です。短い文章の中で見つける練習から始めましょう。
これらは、すぐに成果は出ませんが、半年くらい続けていると少しずつ文章を理解する力もついてきます。音読は日々の継続が大切です。お子さんが苦痛にならないよう、1回の音読は1分程度の短時間で読めるものから始めましょう。
親御さんができること
お子さんが音読をしているとき、一度手を止めて「聴いているよ」という姿勢を見せることが大切です。親御さんが正面から音読を聞いてくれることで、お子さんの集中力もさらに高まります。
音読が終わったあとすぐに、その内容について質問してみましょう。「このときの登場人物はどんな気持ちだったかな?」など、物語の内容に関することを聞いてみてください。一緒に内容を考えることで読解力も高まります。
受験勉強にも音読を取り入れる
中学受験や高校受験の準備をしている場合は、志望校の過去問の音読を早い時期から始めることもおすすめします。過去問で出題されているレベルの文章を理解し、読み慣れることで国語の点数アップに繋がっていきます。
問題を解く必要はありませんので、中学受験でしたら4年生、5年生から過去問の音読を繰り返してみるといいでしょう。
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