いままで九回にわたって国語の勉強法をお話してきましたが、保護者の方にとってそれは別段真新しいことではないとの印象をお持ちではないでしょうか。実際、国語の勉強法とはいつの時代にも変わりはないのです。義務教育においてはこれは国語に限らず、他の教科にもあてはまることのように思えます。ここ何年か世間をにぎわす「百ます計算」もそろばん塾に子供たちがこぞって通っていた三十年から四十年前には「ねがいましては」という形で行われていたのです。その当時のそろばん塾ではそろばんを片手に計算問題の解答時間を競ったものです。つまり、「百ます計算」はそのようなものを現代にあわせてリニューアルしたものと言ってよいのではないでしょうか。教科書の音読や早寝早起きも、そして、朝ごはんもです。ほんの三十年ぐらい前にはごく当たり前のこととしてどの家庭でも行われていたことだと思います。

 現代の教育の問題点は、この当たり前であった教育が当たり前でなくなったことにあるように思えます。はるか昔、江戸時代の頃から日本の教育は「読み・書き・そろばん」と言われています。これは今の時代でも変わりはありません。義務教育、とくに小学校においてこの「読み・書き・そろばん」をしっかりと身につけることが肝心なのです。そして、この「読み・書き・そろばん」は中学校以降の勉強の基礎であることは言うまでもありません。数学の文章題や証明も、英語の長文読解もこれらの基礎学力がなければ必ずつまずきます。「読み・書き」に限って言えば、国語力の弱い子は英語の長文読解や数学の証明問題で必ずつまずきます。なぜなら、それは日本語で考えるからです。英語の読解も数学の証明も日本語で文脈を取ったり論証したりするのです。これは国語力以外の何ものでありません。

 本コラムは国語の勉強法について、忘れられがちな点についてお話してきました。保護者の方にとっては、どれもが一度は経験のある勉強法だと思います。だからこそ、家庭学習では保護者の方こそ、先生にふさわしいのです。毎日、二十分、三十分といったわずかの時間だけでも、一年を通せばその効果は計り知れないものがあるのです。

 本コラムは今回にてひとつの区切りとします。次回以降はいままで不定期に掲載していた中学受験の国語に加え、新たに公立中学校入学を控えた保護者の方向けのコラムも掲載していきたいと思っています。

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