小学校高学年になると、学習内容が難しくなり、学校や塾だけでは十分な学力定着が困難になってきます。また塾に通っていても、授業時間には限りがあるため、家庭での予習・復習が欠かせません。
確実な学力向上のためには、家庭で復習をする、重要事項を覚える、問題集に取り組む時間を確保することが必要です。宿題がある日だけ勉強していると、自主的な学習習慣が身につかず、学年が上がって内容が複雑になった時に、授業についていけなくなってしまいます。
家庭学習は毎日決まった時間に行うことが何より大切です。小学校高学年のうちから、家庭学習の時間と毎日の学習量を決めて、習慣として定着させましょ
高学年に適した1日の学習時間を設定する
家庭学習をする時間の目安は、お子さんの現在の学力や学習意欲、中学受験を目指すかどうかによって変わります。学年で一律に「1日何時間」と決める必要はありません。
意欲があれば長時間学習しても構いませんが、これまで家庭学習の習慣がなかった場合は、短時間から毎日継続することから始めましょう。
高学年の学習時間の目安
家庭学習の習慣がまだ身についていない場合は、1日30~40分程度から始めてみましょう。夕食前に20分、就寝前に20分といった短時間の分割でも効果的です。継続すれば、徐々に長時間集中できるようになります。
夕飯後だと眠くなってしまうという場合、どうしてもテレビ番組に気をとられる場合は、思い切って朝の時間を使ってみてもいいでしょう。集中できない時間帯を勉強時間にあてても効率が悪くなります。
慣れてきたら、1日1時間以上、高学年や受験生なら2時間から3時間は毎日勉強時間を作るようにしていってください。
お子さんが集中できる時間帯を見つけて、学習時間を設定することが重要です。
学校から帰宅した直後は比較的集中しやすい時間です。習い事などで忙しい場合は、習い事のある日とない日で学習時間を調整してください。
夕食後に眠くなってしまう、テレビ番組が気になって集中できない場合は、思い切って朝の時間を活用してみましょう。集中できない時間帯を学習時間にしても効率が下がるだけです。
習慣が身についてきたら、1日1時間以上、中学受験を目指す場合は2~3時間の学習時間を確保するよう心がけてください。
1日の生活計画表のテンプレートも活用してみてください。

デジタル時代の学習環境づくり
現代の小学生は、タブレットやスマートフォンなどのデジタル機器に囲まれて生活しています。これらの機器を学習に上手く活用することで、効率的な家庭学習が可能になります。
デジタル学習ツールの活用
- 学習用タブレット:文部科学省のGIGA構想により、多くの学校でタブレットが導入されています
- 学習支援アプリ:算数の計算練習や漢字練習ができるアプリが豊富に揃っています
- オンライン辞典:分からない言葉をすぐに調べる習慣が身につきます
ただし、ゲームや動画視聴の誘惑もあるため、学習時間中は学習以外の機能を制限するなどの工夫が必要です。
タブレットを利用した学習ができる通信講座
お子様の学習データを分析し、1人1人の「ちょうどいい」レベルに教材が自動的に選ばれ、得意部分を伸ばすことができる算数教材です。

時間内の学習量を効率的に計画する
学習量は多ければよいというものではありません。必要な内容を効率よく進めることが大切です。
学校の復習が必要な場合
学校の学習内容が十分理解できていない様子であれば、毎日の復習から始めましょう。1教科15分程度でよいので、教科書を読み返す、漢字練習、計算練習を中心に、学校で学んだ内容を確認する習慣をつけてください。理解できていない部分がある場合は、どこでつまずいているかを親御さんと一緒に確認する時間を作りましょう。
学校の勉強が順調な場合
学校の学習がほぼ理解できている場合は、学校の復習に加えて発展学習の時間を設けてください。発展学習の時間はそれほど長くなくても構いません。使用する問題集を決めて、1日1ページずつ着実に進めていきましょう。
通信教育を利用している場合
通信教育の教材や課題を溜め込まないことが最重要です。1日1教科、1単元は進めるなど目標を決めて、毎日30分程度でも教材に取り組むようにしてください。
時間を意識した学習の取り組み
漢字練習や計算練習など、短時間で完了する学習は、時間を計って取り組んでみましょう。10分以内で漢字練習と計算練習を1ページずつ終わらせてから、学校の宿題に取りかかるような流れを作ってみてください。
中学受験を目指す場合
中学受験に向けて学習内容の高度な塾に通っている場合は、塾の宿題だけでなく、塾で学んだ内容を一通り確認する時間を確保しましょう。
継続のための工夫とポイント
最も大切なことは、毎日必ず取り組む内容を明確に決めることです。毎日の家庭学習では、お子さんの苦手分野よりも得意分野を伸ばすことに重点を置いた方が、全体的な学習効率を向上させることができます。
計算速度を上げる、多くの漢字を覚える、都道府県の特徴をすべて暗記するなど、お子さんが取り組みやすい内容を毎日継続することで、家庭学習を確実に習慣化できます。
家庭で使える学習時間割ボードを利用するのもおすすめです
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最新の学習支援ツールの活用
学習時にタイマーを使うと、どの程度の時間で学習できるかを把握しやすくなります。最近では、スマートフォンのタイマー機能や、学習専用の計時アプリなども充実しています。
また、AI技術を活用した学習アプリでは、お子さんの学習進度に合わせて問題の難易度を自動調整してくれるものもあり、効率的な学習をサポートしてくれます。
学習時に使いやすいタイマー
予定の日にちまであとどれくらいかを表示してくれるデイタイマー機能がついているので、中学生や高校生に定期テストや試験対策にも使えます。
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まとめ
小学校高学年の家庭学習は、中学進学に向けた重要な基盤作りの時期です。お子さんの生活リズムに合わせて無理のない学習時間を設定し、毎日継続することで確実な学力向上につなげましょう。
デジタル技術も上手に活用しながら、お子さんが楽しく学習に取り組める環境を整えることが、長期的な学習習慣の定着につながります。