学生の読書と国語力の関係|読書記録と家庭環境で読む力を育てる方法

読書が国語力の土台をつくる

 読書と国語力には、切っても切れない関係があります。文章を読む力と書く力は表裏一体で、どちらかだけを伸ばそうとしてもうまくいきません。読書を通じて言葉の使い方や文章の流れを自然に身につけることが、作文力や読解力の底上げにつながります。

 読書によって、語彙力や文章を筋道立てて読む力、集中力が自然と養われます。国語にとどまらず、学力全体やコミュニケーション能力にもよい影響をあたえるとされています。

 文章を書く力は、まずまねることから始まります。身近にある文章の言い回しや表現を自分でも使ってみる、書いた文章を読み返して変なところがないか確かめる、そうした積み重ねが書く力を育てます。その土台となるのが、読書で培われた「読む力」です。

 また、2020年からの大学入学共通テストでは、数学にも長文問題が出題されるようになり、理科や社会でもグラフや統計から読み取る力が問われるなど、どの教科でも読解力が必要になっています。国語だけの話ではなく、すべての学習の土台として、小学生のうちから読む力を育てておくことがとても大切です。

小学生の読書の現状

 ベネッセ総合研究所と東京大学社会科学研究所が共同で実施した「子どもの生活と学びに関する親子調査」によると、子どもの約半数が平日に読書をまったくしていないことが明らかになっています。また、蔵書数が多い家庭のお子さんや、本を読む大切さを伝えている保護者のお子さんほど読書時間が長いという結果も出ています。

出典:nippon.com

読書離れ深刻 : ベネッセ・東大の共同調査で子どもの半数が読書時間0分
読書の秋。ベネッセと東大の共同調査で、約半数の子どもの平日の読書時間0分だった。ゲームやスマートフォンなどデジタル機器の誘惑と戦うのは子どもにとっては苦行。しかし、それ以前に、大人が読書から遠ざかっていることも影響しているのかも。

 一方で、全国学校図書館協議会の第70回学校読書調査(2025年)では、小学生の1か月あたりの平均読書冊数は12.1冊という結果も出ています。学校での朝の読書など、読書を促す取り組みが広がった影響が大きいようです。

出典:全国学校図書館協議会 

「学校読書調査」の結果
毎年行う、全国の小・中・高等学校の児童生徒の読書状況についての調査結果です。

 ただし、これはあくまでも平均の数字です。本をよく読むお子さんとまったく読まないお子さんの差は大きく、高学年になるほど読書から離れる傾向があります。家庭でどのような環境を整えるかが、お子さんの読書習慣に大きく関わってきます。

読書習慣は家庭環境から育つ

 お子さんに「本を読みなさい」と声をかけても、なかなか読もうとしないという経験をお持ちの親御さんは多いのではないでしょうか。読書を「勉強の一種」と感じているお子さんほど、自分から本を手に取ることはありません。

 先ほどのベネッセ・東京大学の調査では、小学校入学前に読み聞かせをたくさん受けていたグループは、そうでないグループと比べて、中学生になってもずっと読書時間が長い傾向があることも明らかになっています。早い時期からの働きかけが、長く続く読書習慣につながるようです。

 親御さん自身が本を読む姿を日常的に見せることも、お子さんの読書習慣づくりに大きく影響します。毎日30分程度で十分です。テレビやスマートフォンを置いて、親子で一緒に読書の時間を作ってみましょう。家に本がある環境、本が身近にある暮らしが、自然と読書好きなお子さんを育てます。

受験生は問題集から読みたい本を見つける

 受験を控えたお子さんは、問題集や模擬試験の長文読解に取り組む時間が増え、まとまった読書の時間を確保しにくくなります。そんなときは、問題集や試験に出てきた文章の中から、続きを読みたいと感じたものをメモしておく習慣をつけましょう。

 入試でよく取り上げられる文章は、それだけ読む価値のある内容が多いものです。気になった本があれば、親御さんと一緒に全文を読んでみるのもよい時間の使い方です。受験勉強と読書を切り離して考えるのではなく、問題集を読書のきっかけとして活かしてみてください。

読書記録をつけて書く力も伸ばす

 本を読んだあとに簡単な感想を書く「読書記録」をつけることで、読む力と書く力の両方を育てることができます。あらすじをまとめたり、心に残った場面を自分の言葉で書いたりすることが、文章を書く力の地道な積み重ねになります。

 読んだ本の感想を家族で話し合うのも効果的です。登場人物の気持ちや物語の展開を振り返りながら、自分の考えを言葉にする練習になります。お子さんの感想を否定せず共感しながら話を聞くことで、安心して自由に意見を述べられる環境が生まれます。

 低学年のうちから読書記録を続けることをお勧めします。最初は一言でもかまいません。「おもしろかった」「悲しかった」という短い感想からでも、書く習慣が少しずつ育っていきます。市販の読書記録用ノートを使うと、続けやすくなります。

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楽しみながら読書記録をつけられる工夫がされています.

 記録の形式は自由です。日付・タイトル・ひとこと感想だけのシンプルなものでも十分です。学年が上がるにつれて、感想の内容が少しずつ深まっていくのを親子で楽しんでみてください。

まとめ

 読書と国語力は、長い時間をかけてゆっくりと結びついていくものです。焦らず、まずは親御さん自身が本を楽しむ姿を見せることから始めてみましょう。家に本がある環境、読書記録を続ける習慣、そして読んだ本について話し合う時間、この三つが揃うと、お子さんの読む力と書く力は着実に育っていきます。小学生のうちに培った読書習慣は、中学・高校と学年が上がっても大きな力になります。

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