小学5年生で学ぶ割合は、算数が得意になるか苦手になるかの分かれ道となる大切な単元です。この単元でつまずいてしまうお子さんも少なくありませんが、割合の考え方は日常生活のあらゆる場面で使われています。今回は、普段の生活の中で自然に割合の感覚を身につける方法をご紹介します。。
公式を覚えるだけでは本当の理解にはつながらない
割合の公式を丸暗記しただけでは、本当の理解には至りません。そのため、少し問題の形が変わると解けなくなってしまうことがよくあります。
教科書に出てくる「もとにする量」「くらべられる量」という言葉を公式のように丸暗記してしまうと、問題が変わったときに、かけ算を使うのかわり算を使うのか分からなくなってしまいます。これでは中学受験の応用問題や、中学校の数学の文章題が解けなくなってしまう可能性があります。
割合の学習で大切なのは、日常生活の中から割合という考え方を学んでいくことです。実際の場面で使いながら、自然と身につけていきましょう。
ホールケーキやピザを分ける
まずは身近なホールケーキを分けることから、割合の基本的な考え方を学んでみましょう。

4人で同じ大きさに分けるなら、1人分は分数で表すと4分の1です。これを小数で表すと 1÷4=0.25 となり、百分率では25%になります。
つまり、もとにする量=1、くらべる量=4という関係です。
具体的な数字で考えてみましょう
ケーキの重さが400g だとします。
1人分が25%なら、食べるケーキの重さは 400×0.25=100g という式で表せます。
また、1人分が25%で、重さを量ってみたら100g だったとします。
全体のケーキの重さを考えてみると 100÷0.25=400g という式で表せます。
このようにして、割合の公式の意味を考えてみましょう。
他の分け方も考えてみましょう
3人で分ける場合
等分すると 3分の1ずつ で 1÷3=0.333・・・ と割り切れない数になりますね。
50%、25%、25% という分け方も出来ます。
いろいろな分け方を考えて割合の意味を学んでいくことが出来ます。
スポーツやゲームで学ぶ
運動や遊びの場面でも、割合はよく使われています。
野球が好きなお子さんなら、バッターの打率やピッチャーの勝率など、割合で表される数字に親しみがあるでしょう。打率や出塁率の計算方法について詳しく知りたい方は、野球観戦の教科書のサイトが参考になります。
サッカーやバスケットボールなら、シュートの成功率で割合を学ぶことができます。
バスケットボールのシュート成功率で考えてみる
例えば、4人の子どもがシュートをした数とゴールした数を記録して、誰が一番成功率が高いか計算してみましょう。実際に体を動かしながら学ぶことで、割合の意味がより分かりやすくなります。
4人の子どもがシュートをした数とゴールをした数

他にも、いろいろな運動や遊びで、どのように割合が使われているのか調べてみるのも良い学習になります。
買い物で割合を学ぶ
日常生活で最も身近に割合を使う場面が「買い物」です。お子さんと一緒に買い物をしながら、割合の意味を学んでいきましょう。
例えば、値札に「表示価格より2割値下げ」と書いてある場合、実際にいくら安くなるのでしょうか。また、消費税10%(2025年現在)というのは、定価よりいくら高くなることを意味するのでしょうか。このような実際の場面から理解していけば、割合の考え方は自然と身に付きます。
まずは、日常生活で一番身近に割合を必要とする「買い物」の場面で、お子さんと一緒に割合の意味を勉強してみましょう。
次のようなことを考えながら学んでみましょう
値札についている税込、税別の意味を理解する
- 価格 1500円+税 の場合、消費税を足した値段が実際に支払う金額になります。消費税を加えたら実際にいくらになるか考えてみましょう
- 税込 1080円 の場合、消費税はいくらになるか、消費税を抜いた価格はいくらになるか考えてみましょう
- 定価 1080円から2割引 の場合、2割引の意味を考え、実際の値段はいくらになるか計算してみましょう
買い物の際に、電卓を持ち歩いて、お子さんが自分で税込み価格や割引価格を計算する習慣をつけてみてください。
日常生活での割合の意味をしっかり理解することで、算数の割合の文章題でどのような式を作ればよいのか、迷わずに解けるようになります。
計算練習で理解を定着させる
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